民間ロケット「カイロス(KAIROS)」は、日本の民間企業スペースワンが小型衛星の打ち上げを目的として開発しているロケットです。初回打ち上げは3月13日におこなわれたものの、打ち上げは失敗となりました。
ですが、対策を検証し、次の打ち上げも予定されています。今回はそんなカイロスの開発会社や今後の展望について紹介します。
カイロスを開発しているスペースワンはどんな会社?
スペースワン株式会社(SPACE ONE CO., LTD.)は、2018年7月に設立された日本の宇宙関連企業です。
スペースワンは、キヤノン電子株式会社、清水建設株式会社、株式会社IHIエアロスペース、日本政策投資銀行の4社の出資によって発足しました。
スペースワンの主な事業内容は、小型衛星用の宇宙輸送システムの開発と宇宙輸送サービスの事業化です。和歌山県串本町に自社運営のロケット打ち上げ射場「スペースポート紀伊」を整備し、打ち上げ事業の展開を予定しています。この射場は、日本国内で3カ所目のロケット発射場であり、民間企業が運営する初の施設です。
スペースワンにはJAXAのイプシロンロケットの開発に関わっているIHIエアロスペースが出資しているため、その本気度とノウハウによる成功への道筋も期待が持てるでしょう。
また、防衛省との研究連携をおこなっていますので、非常に技術が高いことが伺えます。
3月5日、防衛省・自衛隊は、メタンエンジンを含むロケット上段部分の能力向上に関する研究について、スペースワン株式会社と契約しました。これは、各種衛星コンステレーションの構築にも資する国内の小型ロケットの打上げ重量の増強及び目標軌道への衛星投入の高精度化を目的としています。 pic.twitter.com/kzt4d81P0X
— 防衛省・自衛隊 (@ModJapan_jp) March 8, 2024
(参考)スペースワン株式会社
今後の打ち上げスケジュールととその先の展望は?
【カイロス、打ち上げ失敗】民間企業単独の打ち上げで国内初となる「スペースワン」が開発した固体燃料式の小型ロケット「カイロス」初号機の打ち上げは失敗。 pic.twitter.com/6GyHuFtTog
— Mi2 (@mi2_yes) March 13, 2024
初号機は失敗となったわけですが、成功のための一歩を踏み出したともいえます。大きなお金はかかりますが、ぜひ成功してほしいものです。
8月26日に飛行中断に関して以下の発表がありました。
- 燃焼速度の計測プロセスに問題があった
- 飛行安全システムの設定を厳密にしていた
原因もわかり、次に期待が持てます。
次の打ち上げスケジュールは明確には公表されていないものの、2024年12月に打ち上げを予定して準備をしているとのこと。次は前回の経験を活かして成功するといいですね!
スペースワンの事業は、打ち上げの先の展望も非常に大きな目標を立てています。それは「世界で最も契約から最短で、ロケットを打ち上げる宇宙輸送サービス」です。
「カイロス」は、ギリシャ神話の「時間」および「機会」の神にちなんで命名されていることからもその目標が伝わってきます。
打ち上げに成功すれば、最短で宇宙へ輸送できるサービスに向けた大きく開けた未来があるでしょう。
まとめ
- カイロスを開発しているスペースワンは、小型衛星用の宇宙輸送システムの開発と宇宙輸送サービスの事業化を目的とした会社である
- 2024年12月に次の打ち上げを予定に準備している
以上です。お読みいただきありがとうございました。