今回は農研機構、千葉大学、青森県産業技術センターが発表した技術を紹介します。
それはなんと、「リンゴの蜜の入りやすい個体を予測できるDNAマーカーを発見した」というものです!!
正直、ピンときませんよね。蜜が入りやすいのが分かったら美味しいリンゴが分かるだけじゃないかと。
そうじゃないんです。これは未来を切り開く技術の一端となりえます。
その技術を分かりやすく紹介し、未来にどういった可能性を持つものなのかを紹介します。
みつ入りリンゴをゲノムから読み解く方法の紹介
リンゴは年中スーパーで販売されています。でも収穫は秋。
どうやって保存しているのかというと2月ごろまでに販売されるものは冷蔵庫、3月~夏に販売する用は約2倍の長期保存が可能な「CA冷蔵庫」で管理保管されています。
これで年中リンゴがスーパーに並ぶようになっています。
(引用)千葉大学プレスリリース
今回の技術は、発表されました千葉大学のプレスリリースを読んで意訳します。
蜜入りリンゴは甘くて香りもよくて嬉しい方も多いですよね。
でも蜜入りリンゴには『長期間保存には向いてない』という欠点があるんです。
皆さんも買った後に切ったら、中が褐色になっていた経験はないでしょうか、あれです。
そのため、リンゴに蜜が入っている可能性が高いか低いかが分かれば、計画的に生産して『短期販売用』『春以降も販売できる用』リンゴを効率的に生産できるようになります。
今までは、品種改良して育てたうえで判断するという手順を踏んでいました。
これがDNAを見ると入りやすいかどうかが分かるようになるわけです。非常に効率化が進むことになります。
(引用)千葉大学プレスリリース
リンゴのDNA解析の結果、第14番遺伝子の特定の領域に、蜜が入りやすい祖先品種『デリシャス』に由来する遺伝子を持つ場合、蜜が入る程度が高くなることが分かりました。
(引用)千葉大学プレスリリース
といった感じです。
他にも要素があるのかもしれませんが、この精度でわかるなら十分と思います。
品種改良時に、第14番遺伝子の特定の領域に『デリシャス』が入ってるか確認すれば、育てる前に選別できる可能性が高いということですね。
(参考)片山リンゴ園 リンゴの保存方法
(参照)千葉大学プレスリリース みつ入りリンゴをゲノムから読み解く
参考:蜜入りリンゴの見分け方
美味しい蜜入りリンゴの見分け方
— ブッキー (@lemonheads77) December 13, 2015
☆つる部分が割れている
☆下部が黄色い
スーパー等では見割れは見栄えが悪いと敬遠されるそうです。蜜がいっぱい詰まってて美味しいのにね。ちなみにこのリンゴはサンフジです pic.twitter.com/v5vBj1uMS7
これは余談ですが、スーパーで蜜入りリンゴを見分ける方法を紹介。
正直私も、この文章を執筆する際に知りました。
「おしりが丸くなっていて黄色から赤色になっている」リンゴがいいそうです。そして、透き通った色っぽかったらなおいいんだとか。
また、蔓部分が割れていると木で完熟が進んでいるため入りやすいとも言われています。
ただし、蜜の入りやすい品種と入りにくい品種が存在します。研究があるくらいですから当然ですね。
リンゴの蜜の入りやすさの研究は世界を救う?
結論をいいますと、世界を救う可能性のある研究です。
遺伝子情報を見ることで特定の品種を選別することができ、品種改良が一気に効率化される
具体的な例え話をしますと、温暖化に耐えられる可能性のあるコメの品種改良のスピードが上がります。
今までは、品種改良する→植えて選別と試行錯誤により、徐々に暑さに耐えられる品種にする作業になります。
少しずつの改良ならこれでも十分でしょう。ただ、改良のたび選別選別という作業になります。
ただ昨今の熱さを考えると、今後に備えて『暑い中でも育つ品種』が必要です。
ワンステップ増えて、遺伝子解析作業は大変です。
それは間違いないですが、一度見つけてしまえばそれを基に選別できるので、トータルの効率化は向上するでしょう。
今後の横展開に期待しましょう。温暖化による食物不作の切り札になるはず・・・と期待しています。
まとめ
- 農研機構、千葉大学、青森県産業技術センターが、リンゴの蜜の入りやすさの遺伝子での予測法を発表
- 温暖化に耐えうる作物への品種改良への応用に期待
以上です。お読みいただきありがとうございました。